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My Trip/ 未完の遠野紀行−1991-2 / 91.3記録 00.7改版 ![]() ![]() |
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未完の遠野紀行−1991[その2] | ||||||||
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これは、1991年春に遠野方面を旅した際の出来事を帰着後記録したものである。幾分10年近く前の記録なので、現在の様子と異なることや、文章に多少のミスがある部分については加筆訂正、もしくは付記にて補足を加えた。 2・奥羽山脈横断とせんべい
〜陸羽西線に揺られ〜 「ムーンライトリレー号」の車内でしばらく仮眠していると余目に到着。ここで立ち食いそばをすすって朝食にしよう、と思っていたが、その考えはことごとく打ち砕かれた。余目駅には立ち食いそばがなかった。途中下車した駅前にはからっとした空気が流れていた。駅のすぐそばに寿司屋があったが、どうにしても朝から寿司というわけにもいかず、何せ店が古ぼけているため、開店しているのか休業しているのかもわからない。駅前通りを過ぎれば、もう少し店があると思うが、列車の接続時間が40分しかなく、夜行明けで歩くのもつらく断念。駅のキオスクでチーズ蒸しパンなるものを買う。同じく陳列していた「白いパン」という商品名を見て、自宅で飼っている白い猫のことをふと思い出す。 40分という待ち時間は何とも半端だ。食堂を見つけて探すのにも足りないし、待合室でジーッとしていても飽きる。再びキオスクで『山形新聞』の朝刊を買い、めくってみることにした。 「間もなく、陸羽西線新庄回り、快速『もがみがわ』山形行きの改札を…」 「…番線に陸羽西線回り、快速『もがみがわ』山形行きが…」 陸羽西線は羽越本線余目から奥羽本線の新庄まで行くローカル線。途中、「奥の細道」で名高い最上川に沿って走る風光明媚な路線で結構人気がある。しかし、この列車、結構揺れる(キハ28 2380)。コイルばねの台車が小気味よく『タタンタタン』といいながら車体が上下に揺れる。先程の菓子パン(よりにもよって、「チーズ蒸しパン」)を食べながら乗っていると気分が悪くなりそうだ。 古口に着く。ここは川下りの船が出る最寄り駅で、駅前には食堂や観光土産店があったりするが、春先で朝のせいか、客がいなかった。今度、機会があったら、この川下りも楽しんでみたいと思う。 新庄のキオスクで私は、以前から欲しいと思っていた商品に出会うことができた。『オランダせんべい』(*1)である。 キオスクでパッケージを目撃し、110円を払って手に入れたとき、ふと脳裏に さっそく緊張した面持ちでその『オランダせんべい』に手をつけてみる。見た目亀田製菓の「薄焼きせんべいサラダ味」に似た、何のことはないただの薄焼きせんべいが24枚並んでいるだけなのだが、やはり夜行列車を乗り継いで買っただけあって嬉しさがこみ上げてくる。くどくないほのかな塩味が、チーズ蒸しパンでくどくなった口腔に爽快をもたらす。 ふとパッケージを見ると、 せんべいをかじっているうち、接続の陸羽東線が発車する時刻になった。陸羽東線小牛田行きはオレンジ一色(キハ48 1533)(*2)とツートンカラー(キハ23形)の2両が連結してあった。私は新しく塗られたまぶしいオレンジ一色の車両に乗る。 20数分後、大堀に到着。数年前、最上川杉でできたログハウス風の駅舎に建て替えたそうで、駅の中には図書室があるという。ここもぜひ降りてみたい。 鳴子を過ぎると平坦な水田風景に入る。ボーッと車窓を見ているとまた睡魔が走る。40分程走って新幹線の接続駅、古川に到着した。ここでかなりの乗客が降りていく。 −脚注−
キハ48形1533番: 1979年、富士重工にて新製後、仙台の小牛田運転区(現・小牛田運輸区)に配属。陸羽東線など小牛田管轄路線を走り続けた。途中、塗色変更や冷房改造が行われるが、石巻線用ワンマン改造は行われてない。快速「南三陸」号の運用に入ることがあったが、2007年に新型気動車に置き換わっている。現在は気仙沼線に顔を出す。自分が過去に乗った車両が今でも現役で動いているのを知るとちょっとした感動を得る。
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