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 魚を食べると…

 巷で流れている音楽にまつわるお話をひとつ…

04月27日 魚を食べると…

 「おさかな天国」という曲が流行っているそうです。過去10何年もスーパーの魚売り場に行くとイヤになるほど聴いているので、「何を今さら大騒ぎしているんだ…」と思うわけですが、人間、エンドレスリピートミュージックに非常に弱いことがよく分かります。

 さて、魚に関連して最近あった話をひとつ。先日、スーパーで夕食のおかずにと「赤魚の粕漬け」を買いました。一尾98円という大安売りです。「この安さは何か怪しいな」という疑問は空腹の身には持つことができなかったのがそもそもの間違いでした。

 自宅に急いで帰り、早いところ夕飯を食べてしまおうと、この「粕漬け」をロースターで焼いたわけです。待つこと10分、ほどよく焦げ目がついたところで食卓に登場です。しかし、ここからが問題でした。

 焦げた皮を剥がし、焼きたての白身を箸でつまんだ瞬間、程よく漂うツーンとした臭い
「この臭い、どこかで嗅いだことがあるぞ…」田舎のお手洗いを思い出すような強烈なアンモニア臭でした。アタマが悪くなりそうな臭いです。「くさや」のように匂いの強い魚(加工品)はありますが、この粕漬けの場合、明らかに食欲を失う臭いだったわけです。

 普段は魚の匂いを嗅ぐと飛びついてくる家の猫も、さすがの臭いに除けていきました。それほどひどい臭いだったのです(「匂い」と「臭い」の違いに注目)。結局、口に入れたものを皿に吐き出し、そのまま半透明ゴミ袋へ…残念なことをしました。
 このようなものを商品として売るスーパーに文句をつけてやりたいところですが、それよりもまず一尾98円という激安価格で売っていることに疑いを持てばこんなことにはならなかったわけです。このご時世、消費者の方がよく商品を見極めなければ、何を食べさせられるか分かったものではないと改めて認識したできごとです。
 正直なところ、このような魚ばかりが売っていると、魚嫌いが増えてしまうのではないかと思いました。

 ひどいものを食べさせられると何か黙ってはいられません。数日後、私は行きつけの近所の魚料理店へ出かけることにしました。バーカウンターにじっと腰かけ、地酒のグラスを傾けながら「このお酒に合う焼き物は何でしょうか」と店員さんに訊いてみました。すると店員さん、「さわらの粕漬けなどいかがでしょうか」。
 粕漬けと聴いて、先日のアンモニア臭を思い出してしまったのですが、ならばうまい粕漬けを頂いて先日のできごとをリセットしてしまおうとさっそくこれを頼んでみることにしました。

 しばらくして、香ばしい匂いのする「さわらの粕漬け」が運ばれてきました。姿勢を正して地酒を口に含み、舌を湿らせておきます。身に箸を入れ、ひと口運んでみます。
 噛むほどに舌にしみわたるうま味、香ばしい焼け焦げからかすかに海の薫りが漂ってきます。訊けばこの魚を漬けた酒粕は、そのとき私が飲んでいた地酒の銘柄と同じだそうで、マスカットを連想するフルーティーな香りのする酒と実に相性がいいとのこと。

 なぜ同じ魚、しかも粕漬けでこんなにも違いがあるのか…雲泥の差とはこういうことを言うのかもしれません。「アタマが良くなる」前に、おいしい魚を食べたいものです。おいしいものを食べれば、自ずとアタマは活性化するのです。

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