2000年5月15日
筆者が今年の正月に見た夢がまさか本当のことになるとは、という驚きを隠せないまま、このニュースを紹介したいと思います。
イスラエルのある研究所が、匂いの情報を電子信号化した上、ネットワーク上に伝送することに成功したとのことです。発信された匂い情報は解読機が受信し、そこから人工的に作った匂いが流れるという仕組みで、解読機は約1万円ほどで発売されるそうです。
思えば、バーチャルリアリティということばが登場してしばらく経ったものの、人間の嗅覚を満たすバーチャルは存在しませんでした。人間にあらゆる想像力をかきたててくれる匂い。コンピュータに欠けていたものがまた一つ備わった、といえるでしょう。
そこで登場が期待されるのが匂いの出るホームページ。「にほひうぇぶ」などというネーミングはいかがでしょうか。ワンスメル100円くらいで、ラベンダーの香りから、バキュームカー稼働中の匂いまであらゆる匂いをネット上で提供するのです。もちろんアダルトコーナーも開設されるとは思いますが、内容は当Webの倫理規定に触れるのでここではパス。
ただ問題は、解読器が発生する匂いが拡散してしまうという点で、うまく拡散防止をはからないと部屋中をバキュームカー稼働中の匂いで充満させてしまいます。酸素マスクのようなもので匂いを楽しむ方法が考えられますが、バキュームカー稼働中の匂いをここまでして吸いたいか、という疑問も発生します。
この匂い研究、さらに進めて、プログラム言語で匂いを記述できればいいかと思います。XSML(eXtensive Smell Markup Language)などという、HTMLやXMLに似たマークアップ言語で誰でも好きな匂いが造れる…。そんな時代がいつかは来るのではないでしょうか。