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記憶の彼方に漂う飲料 1

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〜サスケ・ミラクルアルファーはいずこ?〜

 近頃の飲料会社の販売競争は激しく、売れないものはすぐに姿を消してしまいます。「漂う」の言葉を「動いて定まらない」という意味で取るならば、このような姿も「漂う」風景のひとつなのではないでしょうか。
 ここでは、そんな飲料販売競争の中で、惜しくも姿を消していった商品にささやかな説明をつけて列挙してみようと思います。

001 サスケ

 これは1984〜1986年頃サントリーが発売したものである。当時のキャッチフレーズは「コーラの前を横切る奴・冒険活劇飲料サスケ」。要するに『サスケ』はコーラなのである。

 CMでは忍者と外人が登場。ここで出演していた「くの一」は仙道敦子である。外人が電話で「ナニッ、サ、ス、ケ」と言うセリフがちょっとしたブームになる。CMの後の「つづく」の文字は印象的であったが、製品は続かなかった。瓶の外装は黒白の市松模様で英字で「SASUKE」と書かれている。
 コカコーラやペプシコーラに対抗する意味で作られ、CMはディレクターに川崎徹氏、音楽に坂本龍一氏を起用するなどアートディレクションにはかなり投資したが、やはり敵は強かった。現在では影も形もない。

 →ところでサスケを考えるへすすむ

002 ポップ

 これもサントリーの製品。発売は1979年以前と思われる。グリーンの瓶に白い文字で「POP」のロゴマーク。それを瓶にあけると白色の炭酸水となっている。味はグレープフルーツ・スカッシュ様でなかなか美味。

 瓶入りはお目にかからなくなったが、「ポップ」の味を色濃く残す品物がつい最近まであった。同じくサントリーの「ビートポップ」。缶入りの350ミリリットルで黄色かピンクの缶のどちらかがグレープフルーツ味である。グリーンの瓶入りが手に入らない時には、この缶入りで当時を懐かしんだ。

003 メローイエロー

 「コカコーラ」で名を馳せる日本コカコーラだが、その影で消えてしまった飲料は数多い。「メローイエロー」もそのひとつ。黄色の瓶・缶で「メローイエロー」の文字。1984年2月頃から発売された。飲料本体の色は黄色で微量に炭酸が入っている。かすかな柑橘系の味はさすがは果汁1%がなせる業、といったところか。

 「果汁1%」と「合成着色料含有」の文字で買うのをためらったか、一時期発売中止になった。
 1990年代後半になってパッケージを変えて再発売されたが、また姿を消しているようだ。名前とテイストを残しつつも、マーケッティングの如何によって製品を頻繁に出し入れすることをコカコーラはよくやる。

 テレビコマーシャルでは、デビューして間もない松居直美が出演、「とっても訳せない味」というキャッチコピーを残した。

004 ミラクルアルファー

 珍しく森永が売り出した飲料。1リットルペットボトル入りでホワイトコーラとカラメル色の「アンバースパーク」がある。1984年当時、ホワイトコーラというものが珍しく、話題を集めた。
 CMでは西部劇風のセットで保安官役の男性がサッと「ミラクルアルファー」を出す内容が記憶にある。
 食品会社脅迫事件のため売上げが延びず発売中止になったのではないだろうかと私は思うが真相は不明。

 今回は比較的話題にのぼりそうな商品を列挙してみました。今後もこのような商品が出る可能性が高いので追加して載せてゆく方針です。

 しかし、いったんは消えたように思われる飲料も、地方で姿を変えて発売している可能性もあって、飲料研究を極める方は、地方へ旅行をするときに、菓子屋か酒屋をウォッチングして、飲料の販売状況に敏感(ビンカン・ひどいシャレですね)になることが必至でしょう。

 また、東京地区でも小売店の一部で在庫として残っているのもあるので、こちらも菓子屋、酒屋をあたってみると良いと思います。そして目当ての品物があったら、缶の底の日付を見てみましょう。

 過去に、埼玉県W市の駄菓子屋に底が錆び付いた「フレスカ」(コカコーラ)を発見したことがあるので、誰も行かないような駄菓子屋の冷蔵ケースは要チェックです。ちなみにその駄菓子屋は潰れましたが…。

 けれども、このような古い飲料を飲んだあとに腹の調子がおかしくなっても、保証はしません。賞味期限の切れた飲料は迷わず、コレクションに回したほうが賢明です。

005 アクアマリン・カボス

 これは三国コカ・コーラリングの系列、三国フーズから発売されていた飲料。「アクアマリン」は三国フーズのブランド名である。1985年頃、カボスという柑橘類が関東近辺でも盛んに発売された頃もあってその人気にあやかったか?
 250ミリの缶入りでご丁寧にも缶にはカボスの写真がプリント。口に含めば「あ、カボスってこういう味なんだ」と思わせるテイストがよろしかった。

006 ポンキューブオレンジ

 1984年、冷凍食品のコーナーに並んでいたという異色の飲料だけあり、冷凍食品に分類されることがある。還元前の濃縮状態の「ポンジュース」をキューブ状に生フリーズ。飲む前に冷水で薄めれば簡単に愛媛の味になるというしかけ。
 「ポンジュースは瓶が重くて…」という声から生まれた商品と思われるが、当時の値段が4キューブ300円と高く、商品の性質上冷凍食品売り場にしか置けず、人気は今一つだった。さらに錆臭い水道水で薄めるとせっかくの愛媛の味も酸化したような気になる。

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