My Trip/ 路線バスを乗り継ぐ1990 / 04.10公開 | |||||||||||||
1990夏 蕨〜高崎 路線バスを乗り継ぐ | |||||||||||||
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1日だけの小さな旅から、数日がかりの旅まで、日記風に描く旅行記です。 はじめに 〜実行計画〜
中学3年の夏、1日だけこんな旅をしたことがある。高校受験を控え、進路が決まるまでは遠出するまいと決めていたが、一度覚えた旅の楽しみを簡単に忘れられるわけがなく、身近な場所で出かけてみたかったのだ。 それが路線バスの乗り継ぎ。いつもなら電車に乗って目的地まで行くところを別の交通手段で行く。それならば自転車でも徒歩でもいいのだが、限られた道路を限られた時間に走る路線バスを乗り継いで、いったいどこまで行けるのかを思案し実行するという、一種ゲーム性のある旅に興味が高まった。そして、机にかじりついている日々から離れて、一日中できるだけ長い時間、乗り物に揺られていたかったのだ。 この旅では同級生でバス会社や路線に詳しいE君と行くことになり、綿密な計画から始まった。さっそく、バス路線や停留所が記載されている道路地図を開き、バス路線がつながっている道を指でたどった。その結果、関東地方を北上し、群馬県に至るルートが最も遠くへ行けることが分かり、まずは高崎までのルートを策定した。 まずは道路地図どおりに路線バス走っているか、バス会社の営業所に問い合わせてみると、地図では分からない時間や運賃が具体的になってくる。蕨駅から乗り継ぎ浦和駅へ、浦和から上尾まで直通で行ける。さらに鴻巣までも行ける。 問題は鴻巣から熊谷方面。高崎線沿線の国道17号線を行くバスには鴻巣〜熊谷〜新島車庫線があるが、1日に8本しか運行していないという。それも7・11・12・14・17・18・19・20時だけ。乗り継ぎ時間の都合で利用するのは難しい。しかし、鴻巣から西へ向かい、東松山を通って熊谷までつながるルートを営業所の係員から教えてもらった。 熊谷から先、高崎線沿線へ向かう路線は深谷止まり。残るルートは利根川を渡り太田へ向かい、伊勢崎へたどる。伊勢崎まで出れば、高崎までは簡単につながる。 あとは運賃。問い合わせて結果を合計すると4000円程度。列車で行けば1500円程度で収まるものをあえて倍近い値段で行くことに対してのばかばかしさは皆無で、ただただ好奇心だけが先行した。 8月11日 出発の前に
8月11日午前6時、蕨駅。昨日は台風11号が関東を直撃し暴風雨の一日だったが、今日は雲は多いが晴れ間も見えて、絶好の旅日和となった。
数分後、私たちが待つ2番ポールにバスが来た。高崎までバスを乗り通すのは初めての体験で、普段では味わえない緊張と興奮が高まる。している。「プー」というブザーとともにドアが閉まり、バスがゆっくりと動き始める。 蕨(6:16)→県庁前(6:31)
浦19・浦和駅行き 国際興業バス 1160号車 180円 乗り込むと新型のバスで、シートが赤く、座り心地もよい。西瓜のような緑色に縦縞模様をしたシートの車両がほとんどなので新鮮だ。
蕨市内を約3分ほどで抜け国道17号線に入る。早朝のせいか道の流れが良く、幸先のいいスタートだ。国道17号線に入って2分ほど走ると法華田(ほっけだ)停留所。そばには蕨市民プールがあり、夏場は市民の憩いとスポーツの場となっている。今年は利根川水系の渇水のためオープンしない日が続く。 東谷田圃(とうやたんぼ)という読みづらい停留所のそばには東京郊外を環状する、東京外郭環状道路(国道298号線)の工事が進んでいる。国道17号線とは立体交差し、もう数年で開通するそうだ。白幡(しらはた)停留所を通過するとJR武蔵野線の高架橋をくぐる。武蔵浦和駅入口交差点を進行方向左に行くと、浦和中央郵便局の大きな建物を望み、埼京線に接続する武蔵浦和駅が、右に行くと南浦和駅に向かう。ここを過ぎれば浦和駅はもうすぐ。別所付近で上り坂になって登りきると、別所坂上という地形そのままの停留所をが見える。
国道17号線と駅前通りへ向かう国道463号線との交差点にはロータリーがあり「本日の交通事故・死亡○・負傷○○」の表示器が設置してある。
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