月刊看板 / 別冊看板-14 / 公開04.12 補遺05.11 | |||||
別冊看板 第14集 コバトンの飛ばし方 |
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2004年開催の第59回国民体育大会埼玉県大会におけるマスコットイメージとして制作された「コバトン」。
コバトン誕生の経緯
このマスコットイメージは国体開催に先立ち、開催4年前の2000年4月から5月の間に公募された。原作者は越生町の竹越博晃氏で、県の鳥で天然記念物に指定されている「シラコバト」の愛らしさをイメージしたという。応募作品795点の中には県の花「サクラソウ」や県記章「勾玉」をイメージしたものもあった。 2001年2月21日、国体準備委員会の常任理事会で正式に決定し、こうして「コバトン」は世に出ることとなる。
スタイル1…予告掲示型
以後、コバトンは巷間に飛来する。 2004年11月末、大会終了に伴い看板表面の印刷シートが剥がされ、この画像を見ることはできない。
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スタイル2…駅構内直立型
コバトンは人の往来の激しい場所を選んで飛来する。
スタイル3…ボード・LEDパネル埋め込み型
看板は人が行きかう場所に置いてこそその効果を存分に発揮するが、上画像は県庁の最寄り駅、浦和駅西口正面に設置されたものである。改札を出るとすぐ目につく場所に掲示されているのがポイントだ。競技種目ごとにさまざまな表情のコバトンをここで見ることができるが、小さすぎてこの画像で確認することは難しい。 看板右上にはLED表示機があり、開催までのカウントダウン、開催期間や場所などの告知を文字情報で流していた。この看板の左側には路線バスの案内板が設置されており、設置場所も相まって視認性は非常に高い。
スタイル4…フラッグ型
商店街の道路脇街路灯にぶら下げるフラッグ。看板というよりは広告サインの一つだ。 左は川口市内、右はさいたま市浦和駅周辺で見ることができた。
スタイル5…モニュメント・標語型
グッズ戦略
大会のPRと大会費用捻出のため、コバトンを使ったグッズが販売、配布された。 また、自動車に貼付するステッカーを作成し、県内の自動車保有台数の3分の1にあたる100万台に貼付されることを目標に配布された。県の公用車だけでなく、各所を移動する自家用車にステッカーを貼ってもらうことで、自家用車を国体の宣伝カーとして機能させるねらいがあったと考えられる。 さらに国体開催期間中、大会会場で販売されたグッズ売上金のうち500万円が新潟県中越地震の義援金に充てられた。
県知事とコバトン
コバトンを愛してやまないのは現職の上田清司知事だ。知事室にぬいぐるみが飾れているのはもちろん国体主催県代表のポーズにほかならないが、新聞取材において
「笑っても、しかめてもいい不思議なキャラクター。今後も何らかの形で生かせないかと思っている」(2004.10.29朝日新聞埼玉版) と語るなど、このキャラクターに強い愛着をいだいていることがうかがえる。県のトップが率先してキャラクターを好きになるその姿勢には強く共感する。
すでに県発行の広報「彩の国だより」にはカット・図案としてコバトンが登場しており、2004年1月に版権が県へ移ることで、県の発行する刊行物などで露出する機会も増えることと思われる。 さらに国体開催時に運営寄附金を集める目的で作られたグッズ類のうち、人気の高いぬいぐるみを2005年秋に再発売した。2006年版のカレンダーとともに県庁売店などで販売されており、今後グッズ類のラインナップが増えることが期待される。 ちなみに、国体のマスコットイメージが県のマスコットイメージとして長岐にわたって使用されている例として群馬県の「ぐんまちゃん」や「ゆうまちゃん」が挙げられる。「ぐんまちゃん」は1983年の「あかぎ国体」で制作されたもので、絵本作家馬場のぼる氏がデザインした。
おわりに
通常、イベント用に作られたキャラクターは、イベントの終了によってその使命を終えてお払い箱になり、忘却の彼方へと追いやられるのが宿命だ。
埼玉県では公的機関だけでなく民間企業等にもキャラクターイメージの利用を申請方式で認めている。あわせて「コバトン デザインガイドマニュアル」を作成し、クレジット標記、特色指定方法、表情のパターンなどについてのガイドラインを策定した。
国体のPRを機に生まれたキャラクターは今後、県や県内企業のPRとして活用されていくことになる。埼玉県内各所を歩けばきっとどこかでコバトンの姿を見つけることができるに違いない。
看板・モニュメント類画像のデータ
1.川口市内大会告知…川口市内 2002年4月
関連サイト
→埼玉県 |
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