最近のイチ押しダメ出し1089－[いいかげん、成人式なんてやめたら？]

世の中全体が荒れていることを棚に上げて、特定のイベントだけを目の敵にしている人たちの、なんと多いことか…。
そして、そんなイベントに喜んで参加する人たちの、なんと多いことか…

さらに「おあつらえ」ということばを「既成のもの」という意味で誤認した文章を書き、1年近く放置していた自分の、なんと愚かなことか…。謹んで訂正。

01月13日　いいかげん、成人式なんてやめたら？

　→コラム1040・成人式に託されたメッセージで成人式に関する些細な感想を書きましたが、あれから4年、事態は全く変わっていないようです。今回も各地でトラブルが起きてしまいました。

　それでは2001年から2003年の間にはトラブルがなかったか、といえばウソになります。単にマスコミが大きく取り上げるかそうでないかの違いです。いつの時代にも加減の知らないおばかさんはいますし、今年の1月12日は取り上げるべきニュースが取り上げられなかっただけのことです。

　毎年毎年「今の若者は…」とコメントしているニュースキャスターがいらっしゃいますが、自分のマンネリさに気づいたらどうかと思います。無理やり世情に絡めて「社会不満の噴出だ」と論評しても説得力はないものです。誰だってこの社会に不満を持って生きています。それを少しでも変えたいから日々働いて、せめて自分の周りから良くしていこうとしているのです。

　こんな誰かが用意したイベントに黙って出席するならともかく、誰かが用意した場所でしか騒げないなんて、哀しいと思いませんか。その力をもっと違うところに向けたら、きっといろいろなことができるはずです。

　そもそも成人式などというマンネリの極みにどうして参加するのでしょう。イヤなら出なければいいのです。私が20歳のとき、自ら出席しませんでした。出るか出ないかを自己決定する、それができるから成人なのではないでしょうか。
　郵送された招待状には一切開封せず、「受取拒否」と朱書きして氏名、住所を書き、捺印してポストに投函したって構いません。

　地方自治体もトラブルのタネになるイベントに毎年予算を割いていることにムダを感じないのでしょうか。この予算を防犯対策や教育、福祉の充実に回せば、もっと多くの人が幸せになれるのではないでしょうか。
　垂れ幕を破かれたくらいで「器物損壊で告訴」などと言っている市職員がいらっしゃいましたが、自らの大人気なさに気づくべきです。壊されるような物品を最初から人目につく場所に置かなければいいだけの話です。セキュリティの甘さはこうした場面に現れるものなのです。

　「新成人を祝福する機会がないのはかわいそうだ」という意見もあるかもしれません。けれども、たった一日の式典と景品一個で「祝福した気」になっている、その精神を疑った方がいいのではないでしょうか。着せ替え人形のような晴れ着をまとわせ、遊園地に招待して遊ばせる…いつまでも消費するだけの子供扱いにしたいだけなのではないでしょうか。

　ホント、いつまで続ける気なのでしょうか、呼ぶ側にも呼ばれる側にも「オトナ」のいない成人式を。

　NHK「青年の主張」の発表は以上です。