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フラッシュニュース19
 2003年3月雑考

 3月の関心事についてまとめてみました。

3月28日 興味深い、アニメの設定2

 1月のまだ寒い冬に本稿で取り上げた「魔法遣いに大切なこと」が最終回を迎えました。
 一部のファンの間では作品の内容(特に脚本)について賛否激しい意見が交わされていましたが、やはり「よくありがちな魔女に見立てた少女の成長物語」である本筋には変わりなかったようです。
 ただ、

  菊池 ユメ
  4月29日生/17歳
  岩手県遠野市出身
  主人公。岩手県の遠野から魔法見習研修を受けるために 上京してきた、
  小柄だけど元気でかわいい女の子――

 というプロフィールの割には、遠野にまつわるカットは第1話を除いてほとんどなかったのは残念なところです。これでは土地の名前だけ使われた遠野の方に申し訳が立ちません。舞台となる下北沢周辺の背景描写にあったリアリティが、主人公の出身地という部分には最後まで感じることができませんでした。

 さて、最終回は主人公が魔法を使うことの葛藤と闘いながら、研修の最終試験として魔法を指導員に披露する、という内容。事故で死んだ指導員の恋人を魔法で呼び出してカタルシスを得ようという展開はまさに「恐山イタコの口寄せ」を連想させます。最後は東北絡みで締めたようです。

 自ら備わった力をどのように、あるいは何のために使うのか、またそれを使うことで何をもたらすのか…この番組が主題としてきた「大切なこと」には、いい意味でも悪い意味でもどこか道徳番組的なテイストが漂っていたように思います。

参考サイト

 →魔法遣いに大切なことオフィシャルサイト

3月21日 米英、イラクへ武力行使(3/29リンク更新)

 日本時間の20日午前、アメリカ・イギリス両軍がイラク・バグダッドへの武力行使を開始しました。

 テレビで映し出されるミサイル発射の映像を見るたびに、胃がきりきりと痛み出すのですが、この武力行使の是非について、現時点でコメントすることは差し控えたいと考えます。戦争においては是非を短絡的に結論づけてはならず、長期的視点で情勢を観察し、今後を考えていく必要があるからです。

 確かに武力による解決は残念なことです。攻撃する側もされる側も多大な犠牲が出ることは正直哀しいです。しかし、始まってしまった以上は、今後の展開を観察し、一日も早い終結を願うことしか私にはできません。一個人とは実に無力です。

 さて、紛争の展開を知る唯一の手段はマス・メディアからの報道ですが、見ていて印象深いのはやはりNHKの報道です。事実を的確にしかも淡々と伝えています。おなじみ軍事評論家の江畑謙介氏の解説、ワシントンの手嶋支局長のリポートには、「報道」の基本を押さえ、見るものに判断と考慮の余地を与えてくれます。また、スムーズで聞きやすい同時通訳は、職人技を感じました。

 一方、民放の報道特番は、ニューヨーク同時多発テロ報道よろしく煽りの連発。テロップに視聴者からのメールを流していた(日本テレビ系列)のはどんな意味があったのか、疑問です。

参考サイト

首相官邸・イラク問題関連情報
外務省・イラク情勢情報
TBS News-i ブッシュ大統領声明
TBS News-i フセイン大統領声明(同時通訳が消えて残念)
TBS イラク情報省付近爆発3月29日午前7時(日本時間)
CNNバグダッド市内ライブカメラ(音声入り・要RealOne Player/現在リンク切れ
バグダッド市内ライブカメラ-1(要Windows Media Player/未配信時間あり)
バグダッド市内ライブカメラ-2(要Windows Media Player/未配信時間あり)
アルジャジーラWebサイト(接続状態悪し)

3月10日 さいたま市歌の感想(3月11日加筆訂正)

 4月1日より政令指定都市となるさいたま市。それに先立って、市のサイトでは新しい市歌「希望(ゆめ)のまち」の音声が公開されました。

 確かに冒頭の

  オーオーオー さいたま さいたま
  カモン カモン

に過敏な反応を覚えてしまうのは致し方ありませんが、そのあとに続くメロディと歌詞を聴いてみると、なかなか好感が持てるではありませんか。新しい街の一日が輝きながら明けてゆく様子、総じて街が未来に向かってひらけていく姿を連想します。暗い話題が続くこんな時だからこそ、先行きが見えてくる音楽を求めたくなります。
 むしろ、曲本体だけでも充分インパクトがあり、冒頭と末尾のエールはなくてもいいのではないかと思うわけです。

 ちなみに作曲は旧浦和市出身でロックグループ「ゴダイゴ」のタケカワユキヒデ。ゴダイゴのメロディを聴いて育った筆者にとって、この曲調は1980年にリリースされた「ポートピア」(神戸ポートピア'81のイメージソング)を彷彿とさせるものがあり、つい最近に作られた曲ながらも不思議と懐かしさを覚えます。

参考サイト

→http://www.city.saitama.saitama.jp/song.mp3 「希望のまち」音声(直リンクはしません)
埼玉県さいたま市公式サイト
市歌のページ
ついでに市民マークも
タケカワユキヒデ オフィシャルサイト(歌詞を掲載)
全文検索スクリプト「msearch」ユーザサイト一覧

3月5日 店頭から消えたひなあられ

 「ひなあられ」は筆者の好物のひとつです。赤や緑、あるいは黄色の着色料で化粧された小さなあられを4、5粒ほど手に取り、それを口に含むとけだるく広がる甘味。これを食べるたびに「女の子の節句のほうがいいなぁ」と思っていた幼年期の記憶が思い出されます。

 細やかなあられの中には大粒のあられも入っていたりして、この大粒を奥歯で噛みしめると、ロッテのキャンディー「小梅」に入っている「大玉」を舐めたときに似た充実を感じます。さらに袋の中をまさぐってみると、砂糖で包まれた大豆に出くわし、「これは節分の豆の再利用だな…」と感ずいてみたり(*)と、ひなあられは他の菓子にはないドラマを味わうことができます。

 そんな楽しいお菓子なのですが、ひな祭りを過ぎるとすぐに店頭から消えてしまいます。前日まで棚にあふれるほど並んでいたひなあられは、翌日には姿がなく、店内をくまなく歩いてようやく見つけたときには、「見切品」のワゴンに、賞味期限ぎりぎりの「塩昆布」や「チャーハンの素」、あるいは売れ残ったバレンタインデーのチョコレートたちとワゴンの中に同居しています。さらにパッケージには

  「表示価格より100円引」

というポップ体で書かれたシールまで貼られてしまっています。

 しかし、棚に並んでいたひなあられの数と、見切品ワゴンの中のひなあられの数を較べると、どう見ても見切品の方が極端に少ないわけです。
 残ったあられは一体どこへ…?
 これは正月のおせち料理でも、七草粥セットでも言えることなのですが、メーカーに返品して処分されるくらいなら、商品の入った段ボールごと安く買い取らせてほしいと思います。

 期間内に売れなかったら、安売りされるか処分されてしまう…これは季節商品の宿命なのでしょうが、何か哀しいものがあります。そんなひなあられの姿と、「成果主義」の行く末をだぶらせてしまったりする、失業率5.5%の時代…。

 余談ながら、「ひなあられ」には関東バージョンと関西バージョンがあります。筆者が書いたところの「ひなあられ」はまさしく関東バージョンのもので、関西バージョンは醤油・塩味ベースのあられになっています。関西「ひなあられ」には「チョコレートに包まれたあられ」なるものが入っているそうで、これは非常に興味深いものがあります。来年のひな祭りには「関西ひなあられ」を捜し求めてみたいと思います。

参考サイト

ひなあられの謎!
→(*)豆菓子のメーカーがひなあられを製造する例

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