最近のイチ押し ダメ出し / No.1087 / 2003.11公開 | |||
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最近のイチ押し ダメ出し 1087 緊急特集・先が暗い!? これからの年金
「将来年金がもらえなくなるって、誰から聞いたの?」江角マキコが問い詰める、社会保険庁の挑発的なコマーシャルは、「2003年不快CM大賞」があったとしたらおそらく上位ランキングに入っているだろうと思われます。 「きょうのことば20031101号」で社会保険庁のCMについてイチャモンをつける前後から、年金問題が広く報道されています。あの挑発的なクリエイティブは世論が年金に関心を持たせるための策略だったのではないかとさえ思えてきます。 さて、厚生労働省は17日、新たな年金給付水準案を発表しました。大まかなポイントを整理してみますと次のようになります。
1.2004年度から厚生年金の保険料率を段階的に引き上げる。
少子高齢化が進んで、年金保険料を払う人と受け取る人のバランスが崩れているのが改訂の大きな理由ですが、「掛け金は高く、もらえる額は少ない」という以前からの懸念が現実のものになってきました。 もう「老後は年金だけで暮らしていける」という時代は終わった、といっても過言ではありません。
しかも、これらの改訂案を実現するためには、基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることが前提となっていますが、現在の政府・自民党は国庫負担割合の引き上げに対して明確な答えを出していません。 一方財務省は、厚生労働省の改訂案では国民が負担する割合が高くなる、と主張していて、給付水準を5割以下に下げろ、と要求しています。さきに触れた国庫負担割合の引き上げも「財源を確保できるまではやりたくない」と言っており、ここでも消費税の増税を匂わせています。
いずれの道を歩もうとも、「月額の保険料は上がる、日用品にかかる税金も上がる、けれどもらえる年金は少ない」は確実で、江角マキコが敢えて言わなくても「将来、みんなが泣く」ようになるのかもしれません。 とは言っても、悲観しつづけるわけにはいきません。戦争を生き抜き大きな経済成長を遂げた世代の人たちと同様の年金を受け取って生活しよう、という考えはもう捨ててしまった方が精神衛生的にいいかもしれません。
さて、年金に頼らず生きていくにはどうしたらいいか、または年金だけで暮らしていくにはどうしたらいいか、そのためには「いま」をどう生きるか…。考えることは山ほどあります。
参考サイト
→asahi.com
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