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別冊看板 第2集
オロナミンC看板研究序説
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オロナミンC看板の瓶蓋部に注目してみることで、看板が制作された時期を推定し、時代的変遷を考察する企画の草分けです。

オロナミンC看板

 大村崑氏でおなじみの『小さな巨人』ことオロナミンC。この製品についての看板はまだ全国各地のイナカで発見できますが、一見同じように見えて微妙に違いがあるのをご存じでしょうか。
今回は「違いのわかる人」のためのオロナミンC看板研究講座を開講することにしましょう。

瓶蓋部アップ  こちらの写真と、上の写真を比較してよーくご覧下さい。何か気づきませんか? 分からない方は蓋の部分に注目してみましょう。
 大村崑氏の持っている瓶には二通りあることが発見されます。上は蓋がネジ式のキャップ、下が王冠型のキャップです。このオロナミンCの看板は、いくつかのパターンがあり、大別して「王冠型」「キャップ型」に分けられるのではないでしょうか。
 当然王冠型の方が古いわけですが、いつ頃にこの看板が造られたかを知ることはなかなか難しいです。ホーロー引きの看板は制作年代が限定できず、結構新しそうに見えても実は昭和初期に制作されていたりすることがあります。

 その点、大塚製薬系の看板には制作年代を決定的に知る記号が表示してあるので研究はしやすいです。
 看板右下の「大塚グループ・大塚製薬」とある右隣に丸付き数字があります。それが制作年代と推定されます。これは元号で書いてありますので、昭和○○年とよみかえます。

 この二つの看板を比較した表が下記です。

大村崑 オロナミンC看板の比較
種類王冠型キャップ型
キャッチコピーおいしいですよ!元気ハツラツ!
ロゴ上の記載各種ビタミン・アミノ酸含有なし
大村昆氏のコスチューム白のポロシャツ黄のポロシャツ
推定年代昭和48年頃昭和51年頃
タイアップ表示ありなし

※補遺
「王冠型」の看板制作年代について、「『天才バカボン』放送開始年代からみて、昭和47〜48年代頃に制作されたのではないか」というご指摘がありました。詳細を調査したところ、看板右下の丸付き数字は「48」と記載されておりました。表の記載内容を訂正いたします。

 ここで注目するのは看板におけるタイアップでしょう。
 これは山梨県甲府市北口町付近で発見したオロナミンCの看板です。『天才バカボン』がなかなか笑えますね。写真に撮らなくて残念なのですが、『バカボン』のウラ面は『エースをねらえ』の主人公岡ひろみがプリントされております。当時、大塚製薬はこれらのアニメーションのスポンサーになっていたことがわかります。
 地元の人は何気なく通り過ぎてしまう風景の中にある看板。けれども看板の前に立ち止まってじっとみつめていると、過ぎ去った時代が現在に甦ってくるような不思議な気分になるのです。

看板データ:
上・長野県信越本線田中駅前1989年
中・山梨県甲府市北口町1996年
下・山梨県甲府市北口町1996年

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