私事で恐縮ですが、先月大阪へ旅行に出かけた際、大阪在住の友人と会ったのですが、そこで入った喫茶店のメニューに「ミックスジュース」があるのを見かけ、私が大阪に滞在していることを改めて認識しました。
大阪にあるほとんどの喫茶店にはミックスジュースという飲み物がメニューとして存在するのは有名な話です。ウィークリーフリーMLのサイトを見ると、ほぼ中央構造線より西の地域で見かけることが分かります。関東在住の私にとっては、とても新鮮に思える食文化です。
そのページにはレシピも掲載されていますが、おおよそ作り方は似ているようです。バナナやパイナップルといった南方系果実と、オレンジやみかんなどの柑橘系果実に牛乳、卵、氷を加えてミキサーで攪拌させると、「大阪名物・ミックスジュース」が完成します。が、店によっては桃を加えたり、アイスをフロートさせるそうで、店ごとに微妙にレシピが異なってきます。100の喫茶店があれば、100通りのミックスジュースが存在するのかもしれません。
さて、このミックスジュースを新しい大阪名物にしよう、と企画した番組がありました。朝日放送(ABC)の深夜番組、「ごきげんブランニュ」です。この番組と在阪の有力飲料メーカーサンガリアが共同で開発した飲料、それが今回取り上げる「みっくちゅじゅーちゅ」です。
私の住む関東地区でも「みっくちゅじゅーちゅ」のCMを一時期放映されていて、そのネーミングと関東地区ではなかなか見られない関西センスのCMにインパクトを覚えました。私は「これは入手して味を確かめてみなければ…」と思い、大阪に出かけた際に、何缶かまとめ買いをしてみました。ひと缶118円でした。
まずは缶の外観を眺めてみます。タレントの赤井英和氏が書いた
「大阪生まれのフリフリ みっくちゅじゅーちゅ」
という力強い書体、ミックスジュースに関する説明、そして飲み方に至るまで、小さな190g缶にぎっしりと書き込まれています。全国展開を目指して、他の地域の人が理解できるようにと説明が加えられているわけです。
それでは実際に飲んでみることに。缶の記載にあるように、冷蔵庫で冷やし、缶をよく振ってからタブを開けてみます。缶の中には薄黄色の液体が見えます。それではいただいてみます。
ひと口飲んだあとに、舌にざらりとした果実の繊維が残るのが印象的です。これはオレンジの果実繊維だそうですが、「いかにも喫茶店のジューサーで挽いた」ことを表現しているようです。関東でもデパートの地下食料品売り場にジューススタンドがあり、こうした食感の生ジュースを飲んだ記憶があります。ちなみに「みっくちゅじゅーちゅ」では、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、桃と5品種の果実が入っていますが、果汁は20%です。
さらに飲み進めてみると、ミルクセーキに似たまったりとした感触を覚えます。「喫茶店のミックスジュースはもっと濃厚だ」という意見もあるそうですが、果汁20%でこれを表現するのはなかなか難しいかと思います。
しかし、飲む前にイメージしていた味覚よりははるかにおいしくいただくことができました。
関東にはこれに似た飲料に「ミルクセーキ」があるのですが、ミルクセーキにはバナナしか果物を入れませんし、柑橘系のざらりとした食感はありません。ミックスジュースとはまた別の飲み物といえます。
ちなみに、サンガリアでは関西流に、別商品として「ミルクセーキ」を発売しています。また新商品で「大阪生まれの フリフリ ばななじゅーちゅ」が発売されています。これは「みっくちゅじゅーちゅ」をペットボトル化してほしいとの要望から生まれたものだそうです。
今朝、2缶目の「みっくちゅじゅーちゅ」を楽しんでいたところ、さきの友人から、
「梅田地下街の近くの薬局で『みっくちゅじゅーちゅ』が1缶69円でたたき売られていた」
とのメールが寄せられました。すでに在庫処分が行われているのでしょうか。それとも単なるディスカウントでしょうか。販売店情報などが掲載されていた http://www.sangaria.ne.jp/ のサイトも残念ながら消えてしまいました。
やはり飲料の世界は移り変わりが激しいものです。