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カクテル炭酸ウォウを飲む
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2003年5月にキリンビバレッジから「WO(ウォウ)」という名前のカクテル風炭酸飲料が発売されました。
今回はこの「ウォウ」を飲んでの感想、コメントを書き連ねていきたいと思います。

ノンアルコール飲料、ふたたび

wo(ウォウ)3種類のテイスト  ノンアルコール飲料がまた脚光を浴びているようです。ここでいう「ノンアルコール飲料」とは、アルコールを全く含まない、もしくは1%未満で、アルコール飲料の代用品として飲まれることを期待して製造されたソフトドリンクのことを指します。
 国内では、1986年2月に寶酒造のビールテイスト飲料「バービカン」の登場がノンアルコール飲料の存在を広く知らしめるきっかけとなりましたが、折りしもの円高差益により外国産アルコール飲料が安価に購入できたことや、テイストが今ひとつだったということもあり、一時期は「消えた飲料」として取り上げられていました。

 消えたかと思われた「バービカン」は再び市場に登場し、アルコール飲料と同じケースに陳列して細々と売られていました。
 そんなあまり目立たない存在だったノンアルコール飲料でしたが、再び注目されるときがやってきます。2002年夏のことです。
 6月に道路交通法が改正、飲酒・酒気帯び運転の反則がより厳しくなる前後から、酒造メーカーなどが「アルコール飲料のテイストを似せたソフトドリンク」が次々発売していきました。中でも大関の「NONだつもり」は、日本酒そっくりのテイストで話題を呼びました。
 その後、「1%未満のノンアルコール飲料でも飲み過ぎれば飲酒運転に引っかかる」ことがマス・メディアで大きく取り上げられましたが、適量であればこれほど重宝な飲み物もなく、自動車を運転する人の間ではそこそこの人気があります。

3種類のテイスト

wo(ウォウ)材料標記。クリックすると拡大画像を表示  今回の題材である「ウォウ」はどうでしょうか。他社がビールや日本酒を模しているならば、今度はカクテルにしよう、と思ったのか、「ウォウ」には広く知られたカクテルのテイスト3種類を模しています。飲料の循環に照らし合わせれば、ノンアルコール飲料の一環として発売されたのではないかと思われますが、位置付けとしては「酒の代用品」というよりも「変わったテイストの新しいソフトドリンク」に近いものがあります。
 3種類のテイストの内訳は次のとおり。いずれも300ml缶入りで124円の希望小売価格です。埼玉県南部のスーパーマーケットでは一缶100円で販売されていました。

●MONKEY FIZZ モンキーフィズ → グレープ&ワインビネガー(紫缶)
●SALTY CAT ソルティーキャット → グレープフルーツ&ソルト(黄缶)
●BLOODY WOLF ブラッディーウルフ → トマト&スパイス(赤缶)

 ネーミングがなかなか笑えますね。トマトジュースとウォッカを組み合わせた「ブラッディーマリー」、グレープフルーツジュースとウォッカを組み合わせた「ソルティードッグ」を引っかけて、カクテルを意識しているわけです。
 それでは3種類を飲んでみることにします。

モンキーフィズ

 グレープジュースにワインビネガーのアクセントを利かせた炭酸飲料です。
 ひと口飲んだ印象としては、ファンタグレープにオロナミンC、もしくはライフガード、あるいはリポビタンDを入れて、酸味を強くした、と申しましょうか、そんなテイストです。

ソルティーキャット

 ソルティードッグからアルコールを抜くと「ソルティーキャット」になるかどうかは別として、しっかりと淡い塩味が再現されています。炭酸入りで清涼感を増し、ウォッカの苦味は苦味料で再現するという徹底ぶりです。
 テイストは例えていえば、不二家のポップキャンディーに苦味を加えた、といった感じです。

ブラッディーウルフ

 個人的にはこれが気に入りました。
 キリンのトマトジュースはさらりとしていながらも濃厚かつほどよい塩味で、隠れたファンも多いそうですが、そのうまみが活きているような感じです。余談ながら、ナガノトマトはキリンビバレッジの系列だそうです。

 「トマトジュースにコショウを入れてトマトスープ風に飲んでみたいな…」と思っている方にはいいかもしれませんが、炭酸入りです。逆に炭酸を入れることで舌への印象を強めているようにも思われます。
 確か、何年か前に同社から「セニョールトマト」と呼ばれる、100%トマトジュースにスパイスを入れた紙パック飲料が発売されていましたが、この時のレシピを再利用したのでしょうか? 真偽のほどはいかに…。
 他の「ウォウ」が果汁10%なのに対して、ブラッディーウルフは果汁25%なのでちょっとしたお得感があります。

まとめ

 1990年代中盤、酒造メーカーはソフトドリンク風のアルコール飲料を次々に登場させました。果汁入りサワーやラムネ入りサワーなど居酒屋チェーンのメニューを商品化し、「缶チューハイブーム」を再燃させました。その反面、パッケージが清涼飲料水と見分けがつかず、未成年者が間違って飲んでしまうケースが明るみになり、「これはお酒です」とパッケージプリントや点字で表記するなどの措置が施されました。

 現在はどうでしょうか。アルコール飲料を模した清涼飲料水が次々登場しています。従来と逆の現象が起きているわけです。今後もこのような飲料が登場するか、引き続き観察してみたいところです。

「ウォウ」野外広告
↑「ウォウ」の野外広告。コピーは「酒じゃないのに熱くなる。」、モデルは柴咲コウ氏。
(撮影地:栃木県宇都宮市・宇都宮駅西口 2003.6.1)

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