現代飲料考 / 不定期ドリンクリポート / カクテル炭酸ウォウを飲む / 公開0305 改訂0306 | |||
カクテル炭酸ウォウを飲む | |||
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2003年5月にキリンビバレッジから「WO(ウォウ)」という名前のカクテル風炭酸飲料が発売されました。
ノンアルコール飲料、ふたたび
ノンアルコール飲料がまた脚光を浴びているようです。ここでいう「ノンアルコール飲料」とは、アルコールを全く含まない、もしくは1%未満で、アルコール飲料の代用品として飲まれることを期待して製造されたソフトドリンクのことを指します。
消えたかと思われた「バービカン」は再び市場に登場し、アルコール飲料と同じケースに陳列して細々と売られていました。
3種類のテイスト
今回の題材である「ウォウ」はどうでしょうか。他社がビールや日本酒を模しているならば、今度はカクテルにしよう、と思ったのか、「ウォウ」には広く知られたカクテルのテイスト3種類を模しています。飲料の循環に照らし合わせれば、ノンアルコール飲料の一環として発売されたのではないかと思われますが、位置付けとしては「酒の代用品」というよりも「変わったテイストの新しいソフトドリンク」に近いものがあります。
●MONKEY FIZZ モンキーフィズ → グレープ&ワインビネガー(紫缶)
ネーミングがなかなか笑えますね。トマトジュースとウォッカを組み合わせた「ブラッディーマリー」、グレープフルーツジュースとウォッカを組み合わせた「ソルティードッグ」を引っかけて、カクテルを意識しているわけです。
モンキーフィズ
グレープジュースにワインビネガーのアクセントを利かせた炭酸飲料です。
ソルティーキャット
ソルティードッグからアルコールを抜くと「ソルティーキャット」になるかどうかは別として、しっかりと淡い塩味が再現されています。炭酸入りで清涼感を増し、ウォッカの苦味は苦味料で再現するという徹底ぶりです。
ブラッディーウルフ
個人的にはこれが気に入りました。
「トマトジュースにコショウを入れてトマトスープ風に飲んでみたいな…」と思っている方にはいいかもしれませんが、炭酸入りです。逆に炭酸を入れることで舌への印象を強めているようにも思われます。
まとめ
1990年代中盤、酒造メーカーはソフトドリンク風のアルコール飲料を次々に登場させました。果汁入りサワーやラムネ入りサワーなど居酒屋チェーンのメニューを商品化し、「缶チューハイブーム」を再燃させました。その反面、パッケージが清涼飲料水と見分けがつかず、未成年者が間違って飲んでしまうケースが明るみになり、「これはお酒です」とパッケージプリントや点字で表記するなどの措置が施されました。 現在はどうでしょうか。アルコール飲料を模した清涼飲料水が次々登場しています。従来と逆の現象が起きているわけです。今後もこのような飲料が登場するか、引き続き観察してみたいところです。
参考サイト
→寶酒造・有価証券報告書の沿革(PDF形式)
関連サイト
→Language Log 2004.7.24 IPA in Japan |
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