09月01日 モノを買う前に、投票する前に
消費生活センターに寄せられる相談の中で最も多いのは、「悪徳商法」です。
悪徳商法の手法は数多くありますが、近年騒がれているものの一例を挙げてみると、
★ワンクリック架空請求
→携帯電話のメールやコンテンツで表示された「ここをクリック」のリンクをクリックしてしまったところ、「登録しました。料金はX万円です」の文字が。
疑問に思って「お問い合わせ番号」に電話をかけたら、「クリックしたということは、契約内容を了解したということだ。知らないで契約したあんたが悪い」と恫喝と脅しで払わせようとする。
★リフォーム詐欺
→高齢者が住んでいる家に赴き、「お住まいの点検をさせてください」と上がりこむセールスマン。
どこも問題がないのに「あの柱がおかしい、その瓦が危ない。このままでは地震で崩れますよ」と恐怖心を抱かせた挙げ句、建築工学的に見て効果のない部品を取りつけられ、高額な料金を請求される。
★催眠商法
→「今ならタダで調理器具がもらえる」と説明会に誘い込み、巧みな話法と熱狂的な説明会の雰囲気に圧倒されて、高額な商品を購入させられる。
★送りつけ商法(ネガティブオプション)
→頼んでもいないのに商品が送りつけられる。代金引換になっており、商品の代金を払えと遠回りに言ってくる。
…といったものがあります。
人間の弱みにつけこんで大事な時間と財産ばかりでなく、心もむしばむ行為は、商売の風上にもおけない実に卑劣なことです。
騙す側はこう言います。
モノを売るならバカに売れ。見た目をよくして、もっともらしいことをズバッと言っていれば簡単に騙せるものだ。気づかない奴が悪いんだよ。
傍観者はこう言います。
自己責任だよ、自己責任。騙される奴が悪い。
被害者はこう言います。
……(無言)。
傍観者の言い分が騙す側と同じという点に注目したいところです。他人事で自分に火の粉が降りかからない場所にいるからこそ、いや、自分が火をかぶらないと思い込んでいるからこそ、こうした無責任な発言ができるのかもしれません。
一方、騙された側はどこに怒りをぶつければいいのか、適切な「ぶつけ先」を知らないまま泣き寝入りしています。残念ながら、騙された側の気持ちは、実際に騙されてみないと分からないものなのです。
しかし、泣き寝入りして怨み節になっていても仕方がありません。
泣き寝入りする時間があったら、騙されたことによって奪われた財産と心を取り戻すことに時間を注ぎたいです。
また、他人事と「傍観」せず、自分の問題として「観察」することが大事です。
※この文章は今回の衆議院議員選挙に関する「比喩」として書き著したものです。
ホンネをネットラジオでこっそり喋る。