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 通販サイトで売る「例の」イスの座り心地

10月14日の鉄道の日に関連した商品がネット通販で発売された話題です。
なお、売り出した商品は即日完売したそうです。

10月10日 通販サイトで売る「例の」イスの座り心地

 気になる通販がありました。まずはこのサイトをご参照ください。

ファン必見! 今がチャンス!
成田エクスプレス『グリーン車座席の廃用品』を販売

 用済みになったグリーン車のイスを通信販売「えきねっとShopping」で売るそうです。価格は税金・送料込みで2万5千円。安いか高いかは個々人の価値観によるかもしれませんが、
 「あなたのご家庭で、この極上の乗車空間を再現しませんか?」
のキャッチコピーには苦笑させられます。ちなみに販売元はJR東日本の関連会社。
 注意書きをよく読むと、

1) そのままでは、通常の「椅子」としてはご利用いただけません。ボルト等で床に固定しない状態でお座りになると、倒れる恐れがあります。

 と書いており、それでもイスなのか? と突っ込みを入れたくなりますが、喉から手が出るほどに欲しい人の気持ちはよく分かります。
 「一家に一台、グリーン車のイス」、マニアのステイタスはこんな形で満たされるのです。

 駅の案内板や電車や機関車の部品を車庫や工場の展示会などで「商品」として売るようになったのはいつの頃からでしょうか。おそらく国鉄末期あたりではないだろうかと思われます。赤字に苦しむ中、増収策の一環で廃棄部品ひとつひとつに値段をつけて売ったのが始まりだったと思います。

 ホーロー製の行先表示板や特急列車のヘッドマークはかなり高い値段がついていました。その片隅で「寝台使用中は禁煙」や「便所使用知らせ灯」などの小さいプレートがこまごまと並ぶ姿に「誰が買うのか、こんなもの」と思っていました。が、気づいたときには文鎮用に薄切りにされたレールを買っていた自分がいました。かれこれ15年前の話です。

 こうした部品を販売していることは、鉄道ファンの間で当たり前のことになっていますが、今回の「成田エクスプレスのイス」のように、一般書籍からサプリメントまで取り扱う通販サイトで堂々と売り出されるとやはり驚かずにはいられません。

 車庫や工場の片隅で「ゴミ同然のブツを売る」、喜んで買ってみたけれども部屋を狭くするだけで「家族から白い目で見られる」…売る側も買う側もどこか「後ろめたさ」を含みながらこれらの「鉄道グッズ」に接していた時代が懐かしくなるのかもしれません。

 10月14日の鉄道記念日に合わせた「話題集め」にしてはずいぶんとマニアック過ぎます。

関連サイト

JR東日本・えきねっとShopping
成田エクスプレス『グリーン車座席の廃用品』を販売

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