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 東海道新幹線品川駅開業特集

2003年10月1日、東海道新幹線に新駅「品川」が開業しました。
今回は品川駅開業直後の現地訪問記をまとめてみました。

10月02日 新・品川駅に立ち寄ってみた

 仕事ついでに開業翌日の新幹線品川駅に寄ってきました。

品川駅コンコース(版権都合上、部分的に加工)

 新駅に赴いての印象はふたつ。まず「とても開放的だ」ということです。コンコースの壁面部分がガラス張りで、自然光を採り入れた照明をしているからでしょうか、インテリジェントビルの吹き抜けロビーのような雰囲気が漂います。
 もうひとつは「ビジネス利用に特化した駅だ」ということです。凝ったデザインの装飾が少なく、仕事で利用する人にとって最低限必要なものだけを揃えた造りになっています。下世話さがないところに好感が持てます。

品川駅新幹線改札内の「モバイルコーナー」

 パソコン利用者のために、改札内の待合室にノートパソコンを広げられる「モバイルコーナー」が設置されているのはとてもありがたいです。電源コンセントも用意されており、携帯電話やデジタルカメラの充電にも役立ちます。また、無線LANを用いたインターネットの接続実験が行なわれていて、待合室周辺ではワイヤレスでネットへ接続することができます。
 ちなみに待合室のテレビモニターにはNHK総合テレビの「国会中継」が流れていました。「秋の十和田湖」、「角館武家屋敷」といった観光ビデオが流れる東北新幹線の待合室とはやはり雰囲気が異なります。

待合室のインフォメーションモニター 小泉首相答弁中の図

 売店の品揃えは、サンドウィッチなどの軽食やソフトドリンク類がほとんどで、土産物は改札内の1ヶ所のみで品数もそれほど多くありません。帰省や旅行客をターゲットにした商品がとても少なくなっています。「スターバックスコーヒー」があるのは「都市におけるお約束」といったところでしょうか。

 ホームに降り立つと、横幅が結構狭いことに気づきます。売店もありません。通過する列車も多いため、新横浜駅のようなスライド式の安全柵が設置されています。新幹線のホームよりもむしろ通勤路線のホームにいるようで、「さっさと乗ってさっさと降りる」といった雰囲気があります。電車も心持ち「さっと停まってさっと出発していく」感があります。
 気になったのはホームのアナウンス。東京駅よろしく「危ないです!! 下がってください!!」の「がなりマイク」が健在とは…。もっとスマートにいきたいものです。

品川駅新幹線改札内乗換通路

 よく言えば機能的、悪く言えば無味乾燥。新幹線品川駅の特徴をひとことで言うとこんな感じです。
 駅弁を買い込んで手土産を買って、さあ乗り込もう、と旅情を盛り立てたい人には物足りなさを感じることでしょう。ただ、すぐに新幹線に乗りたい人や、在来線に乗り換える人にはこれほど便利な駅もなく、人ごみをかき分け幾重ものエスカレーターや階段を登らずに済むのはいいことです。特に横須賀線や総武快速線への乗り換えは地下深い東京駅よりも断然便利で、しかも迷うことがありません。こうした便利さはどんどん活かしたいところです。

 東京と品川。用途に応じて乗り降りする駅を使い分けるのが上手な利用法です。

側面に「AMBITIOUS JAPAN!」と描かれた700系電車

関連サイト

JR東海
動き出す日。品川開業コンテンツ
ユニバーサルミュージック
JR東海プロデュースソング「AMBITIOUS JAPAN!」
AMBITIOUS JAPAN!(初回限定盤・Amazon経由)

10月02日 のぞみを託す品川駅

 10月1日、東海道新幹線の品川駅開業がニュースで大きく取り上げられましたが、やはりマスコミ(特にテレビ系)が港区に集中しているからなのでしょうか。
 実は、「のぞみ」号の時刻を中心に考えた場合、従来東京−新大阪間を2時間30〜33分で走っていた列車が、新駅開業で2時間36〜37分とわずかながら遅くなっていることに気づきます。
 そんな微々たる違いよりも「のぞみ」号の本数が増えたことのインパクトの方が確かに強いですが…。

 バブル只中の1989年頃、「ひかり」号のチャイム音楽をバックに、
「東海道新幹線が混んできました。私たちは総力を上げてひかりを1時間9本に増やします」
 というCMが流れていましたが、品川新駅の構想はこの頃に策定されたものです。東京駅の新幹線ホームに列車があふれないように、品川発着の列車を設けようとしました。
 あれから14年、新幹線の利用者もほぼ横ばいになりつつも、汐留周辺の開発が着々と進み都心回帰を叫ぶ声も聞こえてきます。意地でもバブルの資産を活用しようとする動きに、新幹線駅開業は果たして大きな力を与えるのか…冷静に注目していきたいところです。

 余談ながら、私は東海道新幹線はどうも揺れが激しく、揺れの少ない先頭がスリッパのような形をした「700系」という車種を選んで乗りますが、今回のダイヤ改正でこの車種を使った「ひかり」号がずいぶんと少なくなりました。
 快適さを得るなら数百円の出費は止むなし、の時代になりました。

関連サイト

JR東海
動き出す日。品川開業コンテンツ
1989年JR東海CM音声(MP3形式443KB/禁転載)

ユニバーサルミュージック
JR東海プロデュースソング「AMBITIOUS JAPAN!」
AMBITIOUS JAPAN!(初回限定盤・Amazon経由)

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