5月27日 グラッときたら、何をする?
26日18時24分に宮城県北部沖で発生したマグニチュード7.0の地震(三陸南地震)で、石巻、大船渡、平泉などで震度6弱、古川、花巻、釜石などで震度5強と非常に強い揺れが観測されました。
地震年表を見ると、今から20年前のちょうど同じ日、秋田沖で大規模な地震と津波によって多数の犠牲者を出した「日本海中部地震」が発生していますが、やはり地震は忘れた頃にやってくるものだと思います。
この場を借りて、この地震に遭われた皆さんにお見舞い申し上げます。
さて、私の住む関東地方南部でも「ずずず」という揺れが2分あまり続いていましたが、揺れている間、身のまわりを動き回ることしかできない自分がいました。
揺れがおさまった頃に自らの動きと、テレビニュース映像に映る人の動きをふと思い返してみたのですが、どうも地震が起きたときには似たような行動をすることに気づきます。
主な例を箇条書きしてみました。
1.揺れを感じたとき…身体が一瞬固まる→声が出る。
(外から強い振動を感じたとき、瞬間的に筋肉が緊張しますが、声を出すことで緊張が解けるようです)
2.揺れている最中…周囲を見回す。
触覚や三半規管が揺れを感知しているにも関わらず、周囲を見回して揺れを視覚的に捉えようとするのが不思議なところ。最もよく見るものは照明器具スイッチの「ひも」。
3.揺れが止まないとき…逃げ道を確保しようとする。窓やドアを開ける、など。高層ビルや閉所の場合、ドアの場所を探し出し、そこへ向かって走り出す。
ここまでは本能的に起こる「行動」と認識できるかもしれませんが、興味深いのは、揺れている最中〜揺れが収まったときにかけて起こす、次のような「行為」です。
1.テレビのスイッチを押して、地震情報が放送されないか、確認する。
(「グラッときたら、NHK」というのはまんざらウソではないようです)
※余談※
今回の地震で「あ、そうだ」とNHKのテレビニュースにチャンネルを合わせたところ、めったに流れない速報チャイムを聞くことで、先ほどの揺れがただ事ではないと認識しました。
テレビの速報チャイムは注意を喚起するためどれもドキリとさせるように作られていますが、NHKの臨時ニュースチャイムは木琴の単純な音ながらも、最も緊迫感を呼び起こすチャイムだと思います。
2.携帯電話をかける。手段は音声、非音声とも。しかも安否確認というよりはむしろ揺れを確認するための電話の意味合いが強い。
3.インターネットに接続して掲示板の書き込みを見る。地震に関わる話題があるとなぜか安心する。
(一部のインターネット掲示板の住人の大きな特徴として、一事が万事「臆病者」であることが挙げられます。僅かな地震に対しても過剰に反応し、揺れた直後に関連掲示板がアクセス過多になって接続できない、書き込めないというケースが地震が起こるたびに発生しています。)
これらのケースを例に考えてみると、「揺れているのは自分だけじゃない」と自らの感覚をメディアを通じて確認する、あるいは「揺れをメディアを通じて共感する」という行為が現れているのではないでしょうか。個々人が手軽な通信端末を持っているがゆえに出てくる所作なのかもしれません。
しかしその反面、災害が発生すると、個々の端末から一斉に情報が送受信されるため、過度に通信網を混雑させてしまう問題もあり、現状としてこれを回避する手段は交換機側の発信規制しかありません。
これらの行為による周囲への影響、そして対処方法は「今まで以上に」考える必要があるように思います。
「地震直後は、安否確認の通信を控える」という鉄則はモバイルメディアが浸透しても変わりはありません。
「地震がきた」などといちいちインターネットの掲示板に書き込む時間があるのならば、まずは自分の身を守ることが先決です。
NHKの盛岡放送局エリアで夕方に放送しているローカル番組、「おばんですいわて」の阪本アナウンサーが、大揺れの最中でも冷静沈着に状況を伝えている映像を見て、このアナウンサーのプロ意識に強く感心したのですが、この冷静さこそ、いざというときには持ち合わせていたいものです。
参考・関連サイト
→気象庁Webサイト
└地震情報(26日21時発表)
→地震被害0をめざして(函館の高校生が制作したサイト)
└地震年表
→NHK盛岡放送局
├おばんですいわて(岩手エリアのローカル番組)
└盛岡放送局・阪本アナウンサー
→IBC岩手放送(地震の影響で約3時間にわたり放送不能に)
→岩手日報(岩手県内の被害状況についての情報)
└電子号外
→参考出展:NHK臨時ニュースチャイム再現その1(MP3 128Kbps 127KB)
→参考出展:NHK臨時ニュースチャイム再現その2(MP3 192Kbps 150KB)
→参考出展:NTVニュース速報(旧)チャイム再現(MP3 192Kbps 127KB)
5月18日 気になるテレビCM・連合「審判」
先日TBSテレビで見た、労働組合の総本山、連合(日本労働組合総連合会)のコマーシャルが余韻に残ります。コマーシャルの中身はこんな感じ。
1.オフィスの風景をサッカースタジアムに見立て、実況と解説が行なわれる。
2.終業前、審判のユニフォームを着た社長が社員に注意喚起の「イエローカード」を見せる。
3.注意の理由は「ペンを回しながら電話をかけていた」ことだった。
4.注意された社員をはじめ、他の従業員も社長に抗議するが、今度は退場勧告の「レッドカード」が掲げられ、退場=すなわち「解雇」される。
5.解説者、「おかしいですねぇ、こんなルールありましたか」とナレーション。
6.テロップには「いま、国会では 解雇をしやすくするルールが 審議されています」
このCMを「フィクションだろ?」と思う方と「いや、現実にあるんだよ」と思う方でとらえ方が大きく違ってくるのではないでしょうか。私は後者です。
参考サイト
→連合ホームページ
→RENGO-TV/テレビCM集