最近のイチ押し ダメ出し / No.1068 / 2001.10更新 | |||
最近のイチ押し ダメ出し 1068 フラッシュニュース13人類を陥れる白い粉と褐色の粉 |
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炭疽菌テロに狂牛病の肉骨粉。色は違えど、これだけ恐怖に陥れる粉はあったでしょうか。他人事ではないこの事件についての概要です。 10月18日 人類を陥れる白い粉と褐色の粉 例の米国同時多発テロの関連で、炭疽菌が散布されたり、粉末化された菌が郵送されるなどの事件が起きているのは、すでにニュースでご承知のとおりです。「バイオテロ」は、もはや映画の中の世界ではなく、事実となってしまいました。炭疽菌は肺に吸い込んで発症した場合、治療が遅れると命取りになるそうです。 そこで「白い粉には気をつけろ」との警告を発しているのですが、きっと素人目にはホコリなのか片栗粉なのか、覚醒剤なのか、果ては炭疽なのか、全く分からないのではないかと思うわけです。 現在のところ、散布された付近にいたときには、感染しているかどうか検査してもらうこと、下記関連ページにあるような症状が見られた場合は、すぐに医師の相談を受けるしか防ぎようがありません。生物兵器に使われる細菌は、こうした性質を持つものばかりです。 加えて、万が一に備えて、生物兵器としてリストアップされている細菌類に関してのワクチンをすぐに準備すべきです。 さて、もう一方の「粉末」が引き起こす恐ろしい病気、これもすでにご承知のとおり「狂牛病(正式には牛海綿状脳症(BSE))」ですが、狂牛病にかかった肉牛を食肉解体して、その時に出た内臓や骨などを乾燥粉末化した茶色い「肉骨粉」が含まれた飼料を肉牛に食べさせることによってさらに感染していくというものです。こちらは細菌やウィルスではなく、特殊なたんぱく質(プリオン蛋白)が病気を引き起こすところが特徴です。似たようなニュースが流れるので混同しがちですが性質は全く異なります。 今後、感染した牛は殺処分するか、脳などの危険部位を食用として用いないなどで対処するそうです。殺処分される牛は約130万頭。食肉として使われないまま殺されていくとは…。 万が一人間が感染した場合、数年の潜伏期間ののちに、脳が空洞化していくクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に似た症状が発生するといわれています。ちなみにヤコブ病の場合、脳外科手術の際に用いる乾燥硬膜で発症した例が日本国内で確認され、訴訟問題になっています。発症するまでは感染を確認する方法はないそうです。 確かに、牛を共食いさせたことによって引き起こしたわけですが、すでにやってしまったことは戻しようがありません。今まで食べた、焼肉屋の骨付きカルビも、モツ鍋も、ホルモン系の串焼も、すでに吸収されているか排泄されたわけですから…。 しかし、対策を取ることは今から始めても遅くはありません。「ヒト感染狂牛病」の治療・予防研究を進めていただくことを切に願います。
参考サイト
厚生労働省検疫所・炭疽に関する情報 |
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