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 お香を愉しむ

 世知辛い話題ばかりが続くので、久しぶりに個人的趣味をお伝えしたいと思います。

12月04日 お香を愉しむ

 時事ネタ続きだったので、久しぶりに私が最近楽しんでいる趣味について書いてみたいと思います。それは「お香」です。

 近頃ではアロマテラピーが流行っていて、香りのついたロウソクを燃やすアロマキャンドルや、アロマオイル、さまざまなインセンス(お香)が西武ロフトや東急ハンズといったカジュアル系、DIY系のお店にも並ぶようになり、「癒しブーム」も手伝ってこの趣味も浸透していますが、ここでは、オイルやコスメよりも順当に「お香」だけで書き進めていきたいと思います。

 私がこの趣味を持ったのは、何も「癒されたい」からではありません。以前も「癒し系音楽」でショートコラムを書いたことがありますが、音を聞いただけ、香りを嗅いだだけですぐに癒されるほど人の心は単純なものではなく、とても複雑なものです。そして簡単に「癒されよう」などと考える時点でどこか誤っていると私は考えています。長い時間をかけて自らの心に向かい合う必要があるのです。
 その「自らの心に向かい合う」手段として、こうした音楽なり香りが役割を果たせるとは思います。

 しかし、香りに接することで、人が普段忘れている「感覚」を取り戻せるのではないかと思うわけです。それは嗅覚だけではなく、香りをトリガー(引き金)にして、さまざまな人間の感覚を湧き起こすのと同時に、想像力をかき立てることができるように思います。それにもまして、比較的安価に始められる点も魅力のひとつです。

 本格的に香道を始めるとなると、さまざまな香道具が必要になりますが、あえて手軽に楽しんでもいいのではないかと思います。近所のデパートなどに出かけるとこのようなアロマを扱ったコーナーがあったりします。また、ネット上の通信販売などでも購入することができます。安いものですと300円くらいで買うことができます。香を焚く炉なりお皿があるともっといいでしょうか。
 店頭では買う前にその香りを試すこともできますが、できればどれかひとつを手にとって、実際に火をつけてから愉しんだほうが面白いかと思います。

 線香に火をつけ、ゆっくりとくゆらせてみます。そして目を閉じて香りに自分の身を委ねてみるわけです。部屋の照明は落とすか、暖色系の灯かりだけをつけた方が香りに集中できるかと思います。また、暖色に燃えている姿や煙の流れをじっくりと観察するのもいいでしょうか。

 深呼吸をくりかえしながら、鼻に神経を集中させていきます。この「鼻に神経を集中させる」という部分が香りを愉しむ上では大事です。日頃、視覚や聴覚に集中しがちな感覚を、こうした機会に別の方向へ向けてみるわけです。

 そこで香りに全てを委ねて頭の中身を空っぽにするもよし、物思いに耽(ふけ)ってみるもよし、お香を焚いてからしばらくの間、周囲の喧騒を忘れて「自分の時間」を取り戻していくわけです。冒頭で「気休め」と書きましたが、その「気休め」がどれだけ自分にとって価値のあるものにしていくかが、この趣味を愉しむ上で大事な要素になると思われます。焚き終わったあとの「余韻」も愉しんでみることも忘れてはなりません。

 個人的によく焚くお香は、白檀、伽羅、沈香(ぢんこう)といったいわゆる「お寺の香り」といったものから、インド産のエクスポート品のインセンスまで多種多様です。それぞれの香りを嗅ぐことで、ふと甘さを感じたり、胸の透くような爽快感を覚えたり、あるいは懐かしさを覚えたりするのです。
 中でも、インドの「サイババ」が好んでいるという、「ナグチャンパ」は非常に甘みのある、幻想的な香りのするお香で、私の最近のお気に入りです。

 長い夜を過ごすひとつの愉しみ方として、嗅覚に潤いを与える「お香」について紹介してみました。ただ、天気が乾燥していますのでくれぐれも火の元には注意してください。

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